蜘蛛の糸

双極性障害を患っている者の日記です。日々の気分や体調を記録しております。

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 (1995)

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 (1995):押井守

 士郎正宗の『攻殻機動隊』を原作とした押井守監督作品で、1995年に劇場公開さた映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』。本作は攻殻機動隊シリーズの劇場版第1作目となる作品である。名前は聞いたことはあるけれど実際どんな作品かは知らず、Netflixで視聴できると言うことで視聴した。

 本作の舞台はコンピューター技術が飛躍的に向上した2029年。人の思考や記憶、さらに肉体に至るまで機械と融合しあらゆるコンピューターネットワークにもアクセスできる世界。

 主人公である草薙素子はそんな世界でコンピューター犯罪を取り締まる公安9課所属の刑事。日々起こるサイバー犯罪に対して奮闘する物語である。本作では「人形使い」と呼ばれるプログラムが人間の中に存在する「ゴースト」呼ばれる部分をハッキングする事件が描かれている。「ゴースト」とは端的に言うと人間の精神的な部分といえる。このゴースト、即ち精神的な部分を乗っ取ることで事件を起こすことが作品全体のキーポイントである。

 劇中では超高層ビルや高速道路など近未来の都市が描かれる一方で、街に繰り出してみると中国にありそうな情緒ある風景とを対照的に描いている。また、BGMには民族音楽がメインで使用され、その他はセリフと効果音といったシンプルな構成になっていることが特徴である。

 終盤の戦車との戦闘シーンは迫力があり、銃撃と被弾による構造物の破壊の描写が細かく描かれており本作の見どころの一つと言えよう。

 1995年はwindows95が発売された年で、ようやく一般家庭にコンピューターが進出し始めた時期である。ネットワークに接続できる端末を人口のほぼ所持している2024年現在から見ると、世界観はあながち間違っているようには思えない。むしろ、現実が空想に近づいているようにみえることは興味深い。いまだ電脳化、すなわちコンピューターと脳を接続する技術はまだないが今後そのような技術が生まれる可能性はゼロではない。

 昨今は AI技術の発展により様々な方面で活躍されている。芥川賞に輝いた作品、九段江里作『東京都同情塔』本作もAIについての物語であり、著者自身も生成AIを駆使して作品を完成させたという。TVのニュース番組でもアナウンサーに変わりAIが文章を読み上げるような時代になってきた。作中でもAIが登場しており、AIの活躍がより現実味を増している。